アイドル衣装を家で洗濯してみた話

アイドル衣装を家で洗濯してみた話

かわいいアイドル衣装ができた!
お披露目ライブ!
お客さんからの評判も上々!
チェキが売上が伸びた!

そこまではいいのですが、アイドルのライブというのは歌って踊るわけです。
真冬でも汗をかくことが多いわけです。
つまり、そのままにしておくと、いくら可愛らしい女の子とは言え人間なので、衣装が汗や皮脂で汚れ、雑菌が繁殖し、そのうち猛烈なにおいを発することになります。
でも、こんな衣装を洗濯機に突っ込むのは壊れちゃいそうで怖い。
クリーニングに出すしかないが、ステージ衣装専門のクリーニング屋さんはお高い。

ということで、おうちでアイドル衣装のお洗濯の実践をこの記事にまとめます。

※あくまでも実践録なので、本当に真似して大丈夫かは製作者に確認してください。これを真似して衣装が損傷しても当方補償はしかねます。

要る物

・洗濯洗剤(漂白剤の入っていないもの)
・洗濯ネット(衣装がしっかり入る物)
・お湯をためたお風呂(40~45℃ぐらいのお湯を湯舟の半分ぐらい)
・ゴム手袋(お掃除用でOK)

実践の前に

これを実践した事の発端は、事務所に放置された旧衣装が「やばい匂いしてる」との事務所スタッフからの通報です。
本人曰く、一応洗ったらしいのですが、洗濯機で回すわけにもいかず、水ですすいだだけだったそうでした。
そこの小生「旧衣装だから今後頻繁に着ることはないし、多少損傷したとて被害は軽微。ならばちょっとした化学実験に付き合ってもらおう」と考えたわけです。

ここで理系的な思考が働きます。

前述の通りですが、内側衣類の汚れ=汗・皮脂、外側の汚れ=ほこりなど。
つまりは、外側の汚れは水で流した時に大半が流れている。
原因は、内側の汗や皮脂汚れだろうと仮説付けたわけです。
この時点で「アルカリ溶液に浸す」という方向性は固まっていたので、雑菌≒単細胞生物→細胞膜を溶かしてしまえば皮脂汚れの分解と同時に死滅するだろうという仮説も同時に立ったわけです。

そこまで来たら後は簡単です。

「汗や皮脂=元皮膚や人の分泌物を分解すれば良いんだ」と。

そう仮説立て、近所のドラッグストアに向かい薬品を物色しました。

まず、候補に挙がったのは「水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)」。
確かに効果があるのは理論的には分かるし今回の命題には効果てきめんな気しかしませんでしたが、水に溶かす際に熱を発生させたり、保管中に何らかの理由で湿気と反応して事故を起こさないかとか取扱いに際する懸念点がありましたので却下しました。

次に向かうは洗剤コーナー

しかし、最近の洗濯洗剤というのは漂白剤配合とか液体タイプ、ジェルボールタイプとか色々…
複数の製品の成分表と睨めっこしながら、目についたのが昔ながらの粉末タイプの箱に書いていた「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム」。
2つとも界面活性剤だったような覚えもあるしと思いつつWikipediaで検索して、この薬品の効能を確かめ、「恐らく皮脂を分解できるアルカリ溶液を作れて且つ、お風呂自体への損傷や保管の懸念もなさそうだ」と考え、それを買って帰りました。

まぁ大袈裟に書きましたが、花王の「アタック」なんですけどね。

いざ、実践!(洗浄)

※この時、適当な洗濯ネットが無かったのでそのまま放り込みましたが、真似する際は必ず洗濯ネットを使用してくださいね。

家に到着して、実験室という名の我が家のお風呂に少し熱めのお湯(45~50℃ぐらい)を溜め始めます。
半分ぐらい溜まったら、先ほど購入した「アタック」を大盛り2杯投入します。
そして、手袋をしてかき混ぜて、よく溶かします。
※普段の洗濯機で使う量より濃い洗剤の濃度なので、素手で触ると手荒れすることは必至かと。

次に、衣装を畳んで、洗濯ネットに入れます。
これは形状を崩したり、流水などによる物理的な損傷を防ぐ為です。

そこまで整えば準備は完了です。

衣装(洗濯ネット入り)をゆっくりと先ほど作った洗剤溶液に沈めていきます。
時々溶液をゆっくりかき混ぜながら、10分ほど待ちます。

すると溶液が黒く濁ってきます。
この辺りは汚れに度合にも寄りますが、この時の衣装はひたすら半年以上水ですすがれていただけだったので、皮脂汚れがたまっていたんでしょうね。

この色の変化で、恐らく温かいお湯とアルカリ溶液によって皮脂汚れが溶けていると判断し、お湯を抜きます。

実践その2(すすぎ)

洗浄の溶液が抜けきったら、シャワーで5~10分ほど熱めのお湯(50℃ぐらい)をかけ続けます。
流水すすぎですね。

前項でも登場する「熱めのお湯」というワードがいくつか出現しますが、それの根拠は40℃以上で「人間のたんぱく質が損傷し始めるから、インフルエンザで40度以上の熱が出続けると危ない」とかいうことを遥か昔、中学だったか高校で理科(生物?)の先生が言っていたのを覚えていたためです。
正確な学術的な部分についてはよく存じ上げませんが、ただ経験則で洗浄の際の溶けたり、やわやわになった皮脂汚れにダメ押しの40℃超えのお湯なら残った皮脂汚れも、また流水にすることで洗剤溶液も流れてしまうだろうという考えを基にして、それらを行いました。

10分ほど経って、洗剤の泡なども確認されないことから、ほぼ洗剤も流れ切ったと判断。
衣装を取り出します。

※洗濯洗剤溶液がもし地肌につくと肌荒れを起こすことが考えられますので、これでは不安という方は、さらに湯舟があふれるまで水をためてすすぐことをお勧めします。

実践その3(脱水~乾燥)

取り出した衣装はプラスチック製のハンガーにかけます。
※濡れているので、木製のものは避けた方が無難でしょう。

そうしたら、窓を開ける等してお風呂場の換気を良い状態にし、吊るします。
フックなどが無い場合はつっかい棒などを活用しましょう。
※換気が良くない状況だと今度はカビの懸念が発生します。

通常、洗濯機だと遠心力で脱水するわけですが、今回の場合、衣装の特に装飾部分がそれでは不安です。

なので、今回は吊るすことで、重力に頼って脱水を行います。

1~2時間程度吊るしたままにします。

時間が経って、衣装から水が垂れて来ないことを確認したら、干します。
干す際も日陰の通気の良いところに干しましょう。

完全に乾燥したら今回の衣装洗浄完了です。

今回、この方法で行った際、ほぼ完全なる無臭化に成功しました。
恐らくはじめに立てた仮説もそんなには間違ってなかったのではないかと、考えております。

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